日帰り治療センター長
加賀谷 正 医師
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甲状腺は、食物に含まれているヨードを材料にして甲状腺ホルモンを作り、分泌する臓器です。脳にある下垂体から甲状腺刺激ホルモンが分泌され、甲状腺ホルモンの分泌を調節しています。甲状腺ホルモンには、体の新陳代謝を盛んにする働きがあり、全身の活力の基になっています。子供の場合には、成長を促進させる役割を担っています。甲状腺はのどぼとけの下で気管を包み込むように位置し、大きさは縦4cm厚さ1cmぐらいです。正常の甲状腺は柔らかいので外から触ってもわかりませんが、腫れてくると手で触ることができます。
加賀谷医師に甲状腺の病気と治療について伺った。「甲状腺の病気として甲状腺機能亢進症/甲状腺機能低下症/甲状腺腫/炎症があげられます。
甲状腺機能亢進症は、いろいろな原因で甲状腺ホルモンの合成が多くなり、全身の代謝が必要以上に高まる疾患です。代表的な原因疾患はバセドウ病です。この病気は、1000人に1人はいると言われており、女性に多く、大半が20歳代〜40歳代で発症します。症状としては、突眼症、甲状腺肥大、微熱、動悸、疲れやすいなどがあり、精神的には落ち着きが無くなったりします。バセドウ病の治療方法には?抗甲状腺剤の内服
?アイソトープ治療(放射性ヨード内服)?手術(甲状腺亜全摘術)の3つの治療法があります。はじめは抗甲状腺剤を服用し効果が出ないようであれば、手術やアイソトープ治療を考えると良いでしょう。
甲状腺機能低下症は、甲状腺ホルモンを作る働きが悪くなることにより、血液中の甲状腺ホルモンが少なくなり、全身の代謝が低下してしまう疾患です。中でも多くみられる橋本病は、成人女性の約3%にあるともいわれています。症状として甲状腺肥大、むくみ、無気力、寒気、皮膚の乾燥などがあります。このような方は、甲状腺ホルモン剤を少しずつ飲むことで体調はよくなります。
甲状腺腫は、甲状腺の中にしこりができる疾患で、良性の腫瘍と悪性の腫瘍(癌)があります。良性か悪性かは、超音波や穿刺細胞診など比較的簡単な検査で鑑別できます。良性の場合は経過観察することになりますが、次第に大きくなるものや、3〜5cmより大きいものは手術をしたほうが良いでしょう。甲状腺悪性腫瘍(癌)には4、5種類ほどありますが、日本人に多いのは乳頭癌(約85%)と濾胞癌(約10%)です。幸いなことに乳頭癌や濾胞癌は、悪性度の低いおとなしいタイプの癌が大部分であり、早めに適切に治療すれば、再発や癌による死亡率も低いという特徴があります。」
甲状腺の病気は検査の上、正確な診断をしてもらうことが重要です。治療を受ければ、症状はよくなるので、思いあたる節があれば、一度きちんと検査を受ける事が必要でしょう。
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