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ハッとする歯の話

●薬液塗布後、１年経過した症例 歯面塗布剤を使用して１年経過した症例。歯垢も虫歯菌の進行も抑制されていて、歯髄（歯の内部への侵食）感染のおそれはない。

　今回は「サホライド」という歯面塗布剤について述べたいと思います。サホライドとはフッ化ジアミン銀というフッ素と銀を主成分とする薬剤です。早くから健康保険に適用されている治療法です。フッ素は先月号でもありましたが、虫歯菌によって作られた初期の虫歯を埋めてくれる「再石灰化」を促進するはたらきで虫歯を予防します。銀は歯に含まれている蛋白質、リン酸と結合して蛋白銀、リン酸銀となり歯の表面に沈着（コーティング）されます。これにより虫歯予防だけでなく虫歯の進行抑制を期待できるのです。
　しかしサホライドにも欠点はあります。リン酸銀、蛋白銀は共に唾液、光により歯を黒色に変色させてしまいます。サホライドが最
も適しているのは、軽度な虫歯になっている乳歯（特に臼歯部）です。
また乳歯に金属冠を被覆する前に塗布するのも効果的です。つまり虫歯予防にはフッ素含有歯研剤（歯磨き粉）でフッ素洗口（歯磨き）を行い、乳歯の軽度な虫歯の進行抑制にはサホライドを用いるのが良いと思います。サホライドは２〜３ヶ月に１回塗布し、経過観察し、必要に応じて修復処置を行うのが効果的です。

考えると夜も眠れない？　「眠り」の話　その2

現代人の５人に１人は睡眠について悩んでいるそうです。「より良く生きるためには、より良く眠ること」が必要です。健康的に生きるために「眠り」について考えてみましょう。

睡眠の役割は何？
　睡眠の役割は大脳を休ませるためにあるといわれています。睡眠不足の時に感じる不愉快な気分や意欲のなさは「大脳が休息を求めているサイン」なのですね。発達する大脳を持つ私たち人間にとって「睡眠の質」が「人生の質」とも言えそうです。

「光」を浴びて生活リズムの調整を
　人間には「朝起きて活動し、夜眠る」という一日のリズムがあります。このリズムが体内時計の刻むリズムです。この体内時計と密接につながっているのが「メラトニン」というホルモンです。「メラトニン」には睡眠を誘発する作用があり、この分泌リズムによって睡眠のスケジュールが決まるのです。

一日は25時間？
　体内時計の周期は25時間であり、私たちは無意識のうちに毎日24時間に調整して生活しています。この１時間分の調整をする時、最も重要な役割を持っているのが「光」です。朝目覚めて太陽の光を浴びるとそれを朝の情報として体内時計が調整され、その日の夜、いつもと同じ時刻に眠れるのです。体内時計に朝を感知させるには「光」が最も重要ですが、その他にも洗顔やシャワー、軽い体操、朝食を食べる等の工夫も有効です。