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特集記事

Vol.117 -- 2010 年 01 月号

徳川文武の「太平洋から見える日本」

 第10回<新年に願をかけた>

   五十年もの長い悪夢から目が覚めて、事業別仕分けでどろどろと膿を出す。自民党政権が取って代わられる日がこんなに早くやってくるとは、思っても見なかった。これはまさに「日本の有権者がお任せ社会から脱却」した結果である。政治は自分たちが決めなければならないとやっと自覚した証拠である。ちょうど二十年前にベルリンの壁が崩れたが、あれも何時かは起こると思いながら、現実となると、そんなに早く起こるとは思わなかった。これまたサンフランシスコの大地震が起きた年でもあった。
 新内閣の決断のぶれは外交(ロシア、北朝鮮)、基地(沖縄)、国土(土木工事)、航空(ハブ空港、日本航空、地方空港)、鉄道(新幹線工事)、雇用(働く場所が不足)、医療(介護者低賃金)、社会福祉(保育園不足)、道路(高速料金)、税制(消費税、国民番号)とあらゆる分野にわたり問題が雪だるま式に積もっている。たしかに、全て五十年以上政権にしがみついていた自民党内閣の膿であることは間違いない。やっと実現された事業別仕分けも全数の検討が必要だ。最も懸念されているのは、まだ昔の社会共産から抜け切れていない社民党に揺さぶられて、沖縄の基地移転問題のもたつきで新内閣が失脚することである。外交問題は政権が変わったからと、簡単に方向転換することはできない。それは国際信用にかかわる連続した約束である。沖縄県民に対しても、米国に対しても、長年の期待を裏切らない行動が必要だ。
 それにもかかわらず、新技術や新活用法では脚光を浴びるものがいくつもある。最近言われている資源節約や有効活用で新しい考えが実用評価されているのは大変喜ばしい。題字だけ拾えば、第一に小型水車発電、第二に衣料繊維からアルコール精製、第三に間伐木材の有効利用をあげよう。第一は発電に関する。大は従来からの水力、火力、原子力という大容量のものから、中は小型内燃エンジンや風力発電、波浪発電、小は太陽光まである。太陽光発電は半導体を使うので、その素材を製造するために多くの炭酸ガスを発生し、太陽光パネルも安価にはできない。政府補助金の後押しもあって経済的には高価で、もとが取れるには数十年かかる。それと日射が少なければ電力は当然少なくなる。風力発電の設備は巨額でデンマークでうまく行っているから日本でも、とは行かない。日本で山野に建てれば環境を破壊するし、人家の近くに設置したため、住人から不満が出る。
 これに対して、数日前に見たテレビでは、山間部で自宅の横を通る山河の流水で行う流水発電は将来性があると思った。昔ながらにして言えば、能率が良い水車をつかった水車発電の超小型化である。日本の土地の六、七割は山間部であり、多くは人里離れている。流水発電の良いところは川上から川下まで高さの差があれば、何回でも同じ水から発電できるところだ。テレビの現地報告では山間部の家庭で電力が得られる場面を見せていたし、改良型の小型水車で小電力なら経済的に発電できると言っていた。天候によらず十分な電力が得られとすれば、山間地方で冬季に薪を燃やすことでできない部分、たとえば無線通信や家内工業の電気の小動力などに小型水車発電の電力が使える。雑木林の間伐も必要だから、そのような伐採は薪にしたら良い。おがくずからアルコールを精製する例もテレビ番組で見せていたのを思い出す。
 さて、発電した電気を有効に利用するには、送電線を介して電力会社へ送電するか、局地的に蓄電池に蓄電するかの選択となる。山河の流水発電は垂れ流しに水が電気を発生するから、利用していないときには、電力会社へ送電した方が、近くに高価な蓄電池を置いて蓄電するよりも安価だろう。非常時のために蓄電池に充電しておくのは必要かもしれない。また、太陽光温水器のように、電力で温水を作っておくのも利用価値が高いと思う。現在、太陽光パネル発電では一キロワット時当たり四十八円で電力会社が買い取るとテレビでは報じている。これにたいして、小型水車発電では買い取り価格の検討が行われていないそうだが、番組では十五円くらいで採算は取れるだろうと言っている。テレビの報道ではこの水車発電の設置については「四つの省庁の縦割り行政」のために認可されるのに一年以上かかったという。日本だけではないとは言うものの、「縦割り行政の弊害」は「事業別仕分けによる浪費」と並んで、改善に願をかけたい。
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