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特集記事

Vol.163 -- 2013 年 11 月号

徳川文武の「太平洋から見える日本」

第56回<共産党幹部養成学校で儒教を教える?>
 最近NHKで放映された「中国激動」の第二弾は、急速に拡大した「財力格差」と「独裁政府」に振り回される中国国民が「心の支え」を求め、キリスト教や儒教道場に走る様子が紹介されて興味深い。
従来、中国では「集会や信教の自由」は極度に制限されると言われる。
番組によれば、最近政府はこのような行為を大幅に容認しており、それが「暴動になる前の人心懐柔に役立つ」と判断しているのだろうか。またこの番組では、中国共産党幹部養成学校で、北京オリンピックが開催された二〇〇八年から、「儒教教育」を教科に取り入れたと報じている。

昨年の日本と中国総国民生産額(名目GDP)は日本が五兆米ドル、中国が世界第二位の八兆米ドルだが、国民一人当たりでは日本が四万米ドル、中国はわずか六千米ドルでしかない。中国では国民生産のより多くの部分が、国家や支配階級に集中し、大多数の人々は貧乏だと言うことになる。人口の七十五パーセントをしめる農民籍には健康保険も年金もないと言っていたようだが。

ロシアや中国のような広大な領土を統治するには「強力な独裁政権」が必要だ。満州族の王国は、十七世紀中頃に漢民族の明朝に代わって、清朝として北京に都をおき、中国東北部の支配が始まった。
皇帝の浪費と遠征軍費増大、英国に立ち向かったアヘン戦争により清朝は経済的に疲弊した。これに付け込んだ西欧と日本勢力は領土を侵略した。
清朝は、一九一一年の辛亥革命により倒れ、国民党が中華民国を宣言したが、軍閥政治が続き、中国は荒廃した。第二次世界大戦が終わるまで、広大な中国は部分的に日本の植民地統治下で苦しむこととなる。
日本の太平洋戦争での敗退と共に、中国内の軍閥政治では蒋介石が率いる国民が台湾へ逃避、革命軍を率いた毛沢東が中国本土を掌握して、毛沢東政権を樹立したのが一九四九年である。

毛沢東はマルクス主義型社会主義の中国導入をもくろんだが、産業政策では標語だった五カ年計画が成功しなかった。すなわち、人海戦術的な労働力利用では、工場生産や農産物生産は上がらず、労働者農民に多くの餓死者が出た。
一九四九年、中国全土に政権を広げた毛沢東は、「毛沢東憲法」と言われるものを制定し、その中で思想表現の自由や国内神の信仰の自由をうたっている。一九六六年から一般国民向けに「毛首席語録」として「彼の主張を労働者階級に呼びかける」携行冊子として配布された。

そして十年間「文化大革命」と言われる政治混乱の嵐が吹き荒れた。毛沢東は国土改革のために多くの労働力を必要としたので、人口増加を奨励した。一九四九年に中国本土の人口は五億人余だと言われる。

現在も行われている都市民籍と農民籍と言う固定身分戸籍制度は、一九五七年ごろに形成された。人口の激増と食料の不足から、一九七九年から二〇一一年までは「一人っ子政策」が取られた。そして現在の人口は十三億人とも十七億人とも言われている。

彼が一九七六年に死亡したのち、そののちの共産党指導者たちは、毛の憲法に関係なく「共産党執行部の決定が全てに優先する強権政治」を行い現在に至る。
文化大革命では、中国の文化遺産の焼討ちや破壊や文人の逮捕が盛んに行われた。テレビ報道にあるように、チベットを国有化した政府は仏教寺院を焼討ちし、仏教僧侶に拷問を与え続けている。

回教徒が多いウイグル地区でも同様なことが行われており、これはソ連のスターリンに範を取った「少数民族浄化政策」と言われる。共産党による個人の「自己批判」や「批判懺悔」が「公開処刑」として強行され、多くの人を死に追いやった。
歴代の共産党政権は、「思想言論表現の自由」と「信教の自由」や「集会の自由」を認めず、学校では「中華思想」を中心とした「共産党による教育」が続けられている。

しかし、インターネットの普及は国民に世の中の情報をあたえ、国民間での自由な意見交換の機会を与えることになり、大混乱を起こしている。

このように、民衆の貧困や社会不安から、地下集会や教会や儒教道場が盛んになってきたが、国民の精神的支えを許すことにより、共産党独裁への批判の目をそらせることが出来るかを模索しているように見える。

それにしても、共産党幹部養成学校で儒教を教えると言うのは、権力に逆らわない、上下関係を叩き込むことが目的なのか。
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(送り先 月刊ハロー編集部)
 


 

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