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特集記事

Vol.201 -- 2017 年 01 月号

徳川文武の「太平洋から見える日本」 徳川文武

第九十二回 往く年を思いなおし、来る年に期待をよせる

 日ロ交渉の十二月十五日、プーチン大統領の到着が二時間半遅れると言う最中に原稿をしたためている。平成二十八年は、実に多くの特徴的なことがらが起った。そのいくつかを取り上げよう。

議会制民主主義の危機
 現在の日本の間接民主主義では、国政に与る総理大臣を有権者が投票で選出することは出来ない。間接的に立候補する国会議員に投票して当選した国会議員から総理大臣が選出され、総理大臣は閣僚を決める。日本では内閣総理大臣には任期の規定はない一方、総理大臣は頻繁に辞任する。日本の閣僚たちは国会で野党から不祥事を指摘され頻繁に辞任し新任で置換えられる。ロシアのプーチン大統領は在任が十一年にもなる。一国の元首や外務大臣は在任期間が長ければ、対外的に国同士の付合いが安定する。日本の政権は短命でも同一政党の政権支配を続けるため、財界と政党の癒着が濃厚で金権政治が起りやすい。  客観的に見ると米国は共和党と民主党の二党政治で、適当に政権政党が交代するので政治の透明度が高い。日本では戦後七十年を自民党系政権が殆ど独占したため世の中が退廃した。血縁の族議員たちが自民党には多いことも、政治が退廃する原因となった。血縁婚姻関係で政治基盤を受継げば次世代が議員に当選することは容易になるので、この不平等は法律で是正することが好ましい。日本でひらの国会議員の歳費、旅費、手当は世界第一位の二千二百万円、第二位は米国で千五百万円、第三位はドイツで千万円とウェブに載っていた。ただし日本の場合、秘書三人までの報酬は二千五百万円、文書交通費千二百万円が加算されて合計五千九百万円になると言う。今年は地方議員の公金横領も多数発覚した。

若年有権者の公民教育と投票権
。  一年ほど前に公職選挙法が改正され、十八歳以上の国民に投票権が与えられた。実際、若年有権者は今年の参議院や地方選挙で投票することとなった。義務教育下にある有権者に十分な情報が与えられたのだろうか。もしそうでなければ、若年有権者に投票させた政府は、憲法違反を犯したのではないか。文部科学省はパンフレットを配布、模擬選挙、国会見学、講習を設けたりしたと言うが、教育現場の見方はそれと異なる。義務教育では高校で「公民」、「現代社会」、中学校では「社会」で政治の仕組みを教えるものの、義務教育の学校は専任の教師が少なくて手薄で、大学試験科目でも軽視されていると言う。若年有権者が「政治を理解する」には、パンフレットの配布や模擬選挙のような「表面的な知識」よりも、世の中での政治機能の「現場を検分する」ことだと言う。  大人の有権者の多くは、政治はお上が勝手にやると諦める。だから選挙の投票には半数も行かない。この最大の理由は、意見を言っても陳情しても、政治家は自分の利益にならないと相手にしてくれないので失望し政治離れがおこる。これは貧富の格差が大きい米国でも普通に見られるが、北欧では見られない。憲法によれば、参政は権利、納税は義務、子供に義務教育を受けさせるのは親の義務、日本では自分の国を守ることは権利でも義務でもないが、世界の多くの国では義務になっている。だから、日米安全保障条約で日本の国土を米国に守ってもらい、自衛隊は災害活動をするのだと誤解する人も出てくる。でも自分の家で火事が出たら消そうとするでしょう。

世界の奴隷労働国ニッポン
 日本は伝統的に雇用者と被雇用者の関係が主従関係、上下関係で結ばれ、西欧的な労働契約と言う意識が希薄だ。雇われるときは「決して貴社にご迷惑をかけません」と言う卑屈な「誓約書」に署名させられる。欧米で仕事に就くとは、自分の技量を企業に売ることだ。欧米の労働契約では具体的な「職務内容」が報酬の決定要素であり、「どの企業に働くか」には関心が低い。西欧の作業系労働者は、契約した以上の時間を働こうとしない。作業労働者は「出来高」、知能労働者は「出来上がりの質」が仕事の評価基準となる。
 現在日本の労働者は、正規雇用と非正規雇用に分類され、後者はさらに有期、パート、派遣労働と分類される。飲食業やコンビニ店や医療機関で働く労働者たちには非正規雇用も多く、雇用者は契約外の労働時間以上働かせ、ただでさえ低い賃金基準で時間外賃金さえ支払わないと言う労働契約違反が多い。日本にも労働監督署があり、不当労働を取り締まるが、被害者が労働監督署に報告しないこともあり、不当労働が完全には摘発できない。立場が弱い外国人研修生に利益目的で過酷な労働を強いるのは日本の恥だ。

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