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特集記事

Vol.226 -- 2019 年 02 月号

徳川文武の「太平洋から見える日本」 徳川文武

第百十七回 ずさんな政治の常態化

 ずさんな政治の常態化はますます広がっている。昨年は第一に森友と加計で文科省と財務省、第二に安倍政権の三本の矢であると言う「働き方改革」の労働時間で厚労省がやり玉にあげられた。今年は新年から厚労省が「勤労統計のデータの作為的集計方法」が暴露された。この勤労統計は全国の事業所から月毎に支払賃金の実態を報告させるもので、政府の社会保険給付を決定する重要な情報で白書に公開される国力を評価する情報でもある。古くは大正時代から始まったが、大都市である東京の五百人以上の事業所のデータが意図的に三分の一しか計上されなくなったのは十五年前来の構造改革を掲げた小泉内閣時代にさかのぼる。さらに十二年前の第一次安倍内閣時代には旧社会保険庁が日本年金機構へ移行したため五千万件のデータが消失したと言われ、「消えた年金記録事件」が起こったばかりか、納付された年金の掛け金の改ざんも発覚した。現在も約二千万件の年金記録が不明と言われている。
 安倍政権の「働き方改革」では、「勤務医の時間外労働規制」について、とくに地域医療で医師不足のため、「労働基準法改正」として今後五年間過重労働の猶予期間を設けると言うのだ。安倍政権の「働き方改革」とは、すでに高収入の特殊職業に対して労働基準法が労働者を守る規制を取り外すと言う憲法違反をやってのけたばかりである。私が「ずさんな政治」と言っているのは、「医師不足」は十年以上も前から分かっていたことであり、医師養成と政府が意図的に地方配分する程度のことに困難はない筈だ。日本はずさんな政治による労働基準法の「改悪」が雇用者側の都合によって法律を書き換え、常に労働条件を低下させているが、こんなことでは先進国とは言えない。
 すでに与党のごり押しで、外国人労働者の受け入れ拡大に向けた在留資格新設を柱とする入国管理法の改正案を閣議で決定したが、開発途上国の職業訓練実習生を「実習」と称して悪い労働環境と低い賃金で雇用し雇用者が宿泊費と食事代などを徴収して利益を上げている例が氷山の一角として実習生側から訴えられている。開発途上国から日本へ送られてくる実習生たちは、もともと裕福な家庭で育ったわけではないので、日本語の学習やそれぞれの実習のための予備知識を学ぶために、多額の借金をするのが実情のようだ。日本政府は、このような外国人の若者に対して、職業訓練を次のような条件で実施するべきだと考える。
 第一はこの類の職業訓練を外国人に対する「施しや恩義」と考えずに「運が良ければの投資」と割り切る必要がある。もちろん民間人が代行しても良いが、全ての不正を防ぐために、手間はかかるが、政府や地方自治体が実習生に直接、接する必要がある。そして手続きや管理の書類は人工知能を駆使して常にデータ管理できるようにする。第二は日本語の学習費用は「日本政府が全額支払う」べきだ。私が住む東京の新宿付近には、外国人目当ての日本語学校が沢山ある。まるで外国人を餌にたかる鷹のように見える。私は米国カリフォルニアで留学生生活をしたが、現地には有料の語学学校もあるし、小遣い稼ぎの家庭教師もいる。しかし州の教育委員会は成人学校を開き、州が認めた英語教師が、州から賃金をもらって、外人たちに無料で英語を教える。日本政府に日本語教師を雇う費用が捻出できないわけがない。第三は外国人が「職業訓練を受ける」ことと、農場、漁場、工場、医療機関などの「働き手が不足する事業所で働く」こととは別だと割り切る必要がある。これを混同することから、労働条件が悪いとか、賃金が低くて奴隷労働だとか言う不満が出る。日本の事業所が外国人実習生に直接賃金を支払う制度はよろしくないし、事業者は支払う賃金をごまかしても、訓練生が泣き寝入りするしかないのはよろしくない。訓練生と事業所とのもめごとは、すべて報告させるように管理する。第四は事業所によって、必要な日本語の程度は違うが、将来日本がもっと国際的になることを望むならば、「外国人用の簡略日本語」を開発する必要がある。外国人にとって日本語の最大の難点は、「敬語」、「多種類の文字(二種類の仮名、アルファベット、漢字)の使分け」、医療や介護現場で使う「難解で字が難しい用語」などである。いつも私が思うのは、日本語は外国人に対して要求が多すぎる言語だ。

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