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特集記事

Vol.243 -- 2020 年 07 月号

徳川文武の「太平洋から見える日本」 徳川文武

第百三十四回 日本の国民カードのすすめ

今回のコロナ蔓延に際し、日本政府は緊急事態宣言により、外出の自粛を全国民に要請した。これにより仕事ができず「突然収入がなくなる」人が続出した。政府は全国民一人当たり十万円の特別定額給付金を給付する。政府は当初二〇一六年に総務省が国民各人に十二桁の数字を割当てた「マイナンバー」を付けた「マイナンバーカード」を使用して、個人の金融機関の口座に給付金を振込む予定だったろう。この制度は四年前に出来たが、登録したのは国民の六人に一人だった。登録は任意であり、所持者の個人情報を示す本人の写真付きの証明なら、パスポートと運転免許証、写真がないが健康保険証も従来から有効だ。「マイナンバーカード」の登録をしても、社会保険庁と国税庁の電子納税に利用できる程度だ。コロナの災いが新年から始まり、政府の外出制限まで通達されても、「マイナンバーカード」の登録に役所へ行くことも自粛だし、役所は「マイナンバーカード」の登録でコロナにかかる危険もある。一方、政府の通達で自治体の役所の職員も平等に外出自粛なはずだ。役所から給付金申込書が郵便で届くので、これに記入して返送するのが役所にも申込者にも危険が少ないだろう。

特別定額給付金の申請書
私が住む自治体では、マイナンバーカード裏面と運転免許証と健康保険証のうち一つの証明書写しを提出するように指示していた。振込口座の証明には、クレジットカードか金融機関の本人口座通帳の写しを貼付するように指示してあった。それでは受け取れないと言う人には、現金給付も選択可能と書いてある。さらに問題はこの申込書は家族の「世帯主」宛に郵送されて来るので、別居している家族の分は世帯主から役所にかけあう必要が出てくる。未だに日本の家族制度が見え隠れする。世帯主が給付を受けるには印鑑を捺印する必要がある。

さて二〇一六年に総務省が世に出した「マイナンバーカード」の制度確立にはすでに数百億円が投入されたと言うが、その活用は未だに限られる。従来の地方自治体が発行した「住民基本台帳カード」は住民サービスにしか役に立たない。「国民カード」と呼ぶべきで「マイナンバーカード」と言う英語名も良くない。省庁の縦割りの壁を取り除き、幅広い活用方法を考えてみたらどうか。欧米諸国では医療目的も含めると、個人番号がついた「国民カード」はどこの国にもあるが、クレジットカードのように、国際的に役立つわけではない。海外旅行先で自分の医療情報を書込んだカードとクレジットカードを携帯すれば、持病の救急医療を受けるのが便利になる。日本国内でも、交通事故や旅行時の遭難は何時起きるか分からない。

米国の社会保障カード
米国では、一九三六年ルーズベルト大統領の時代に「社会保障カード」と言う名前で、国民に九桁の数字の個人番号が割当てられて発行された。米国で社会保障番号を制度化した理由は、一九二八年の金融大恐慌で米国金融市場が大破綻した。ちょうど今回のコロナ蔓延と同様で、大規模な国家事業を打出して百日で国民の雇用を確保したと言われる。必要となったのは、社会福祉(賃金支払い)のための個人番号だった。もちろん社会保障番号は、のちに徴兵のためにも利用されることになった。現在も稼働しているフーバダムは一九三一年に着工五年で完成した。一九四八年まで世界最大の水力発電所で最大出力二〇七四メガワット、ネバダ州とアリゾナ州の境界を流れるコロラド河の水を貯留している。ネバダ州の大歓楽街ラスベガスは、そのダム工事の作業者が住む村だった。私は米国に留学した時に銀行預金口座が必要になり、地元警察で運転免許証の発行後に社会保障庁で社会保障カードが発行された。当時の社会保障カードは、薄い名刺型の平板印刷で電子化されておらず、事務用封筒入りで配達された。最近のカードは偽造防止のレーザ保護層に封入された顔写真入りで、運転免許証に似ている。

米国在住者にとっては、この社会保障カードに印刷された九桁の数字が失業保険と年金を保証する。米国の現在の人口は約三億なので、十億になるまで番号の割当ができる。社会保障番号を持っている人が死亡して十年経つと、その人の番号は新生児や新居住者に割当てられる。米国の社会保障番号九桁は楽に記憶できるが、日本の国民番号十二桁は多過ぎて容易には記憶できない。

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