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特集記事

Vol.272 -- 2022 年 12 月号

徳川文武の「太平洋から見える日本」 徳川文武

第百六十三回 円安経済の食生活

 今月に入ってから毎日のように、「日常生活の出費は大幅に上がる」とテレビ報道でおどろかされる。そんなことを言われても、「防空壕さえない我々」には、身を守る方法がないではないか。政府は小麦粉の業者への払い出し価格がキロ当たり十九円上がるのを「ある期間、肩代わりします」と言ったのに、三軒茶屋にある食材店の「強力小麦粉」は一割の値上げになった。エネルギー資源や資材の国際的高騰に円安経済効果が加わって、加工食材の小売価格の値上げが顕著になった。

食生活の工夫
野菜や魚介類といった生鮮食品は、収穫が天候に左右されやすく、市場価格が変動しやすい。私のおばは、太平洋戦争直後の経済混乱期に、パリでの長い滞仏経験で身についたフランス料理を自宅で教えていたのを思い出す。九十五歳まで生きたおばは、「文ちゃん、お料理はね、安くて新鮮な食材が大切なの。だから私は、その日に市場へ行って食材を見定めて、その日に作る献立を考えるの」と言っていた。当時のおばの家は本駒込にあり巣鴨駅付近で食材を買っていたのだろう。料理を作るために、食材と献立のどちらから出発するかは、料理人の采配だが、物価高の昨今では、買い置きした冷凍や乾燥の「在庫食材」、それに加えて庭の菜園の野菜も重要な食材になる。今年の春夏秋はブロッコリー、エンドウ、なす、トマトはけっこう食材の助けになった。来年は自宅で芋を育てようと励んでいるが。

朝食に自家製パン
 老人二人の朝食は、五年以上毎日続けている自家製のパンで始まる。老人の朝食には自家製パンは都合の良い食材だ。山田電機の株主に配布される電気品五割引券を使って、パナソニック(松下)のパン焼き機を買った。必要な食材は、小麦粉と食塩と水と乾燥した麹菌で、四、五時間で一斤のパンが焼上がる。このパン焼き機は数十年前に設計されたもので、いわゆる、マイコン制御の家電品だから、いろいろなパン作りをこなす。「食パン型」しか焼けないとか、窯の底から「コネへら」がパンの底面中央から貫通して「穴が開いたパン」になるとか、不満を言えばきりがないが、一回も故障したことがない。焼上がりに不満はないし、パン屋に買いに行かずにすみ、一斤につき材料費は百円以下と電気料金だけだ。常時焼くパンの種類は、フランスパン、食パン、レーズンなど混ぜ物入りパン程度だが、一応満足している。混ぜ物材料には、粉砕したクルミ、乾しブドウ、かぼちゃの種、干しクランベリーなどが使える。サンドウイッチもトーストも美味しく出来る。この十一月、政府が小売りの値上げに影響しないようにすると言っていたのに、食材スーパーでは小麦粉の値段は一割値上がり、課税前で一キロ約三百円になった。

食生活の維持
 人口八十億人になると言う世界を見渡すと、先進国と言う一群の人々は地球の資源を思いのまま利用し、やれ生鮮食品だ住み心地が良い住宅に住めると、ありったけの特権を満喫している。一方、最近の超大国である米国、中国、ロシア、西欧諸国の間の、天然資源をめぐって政治と軍事で他の「発展途上国」を巻き込んだ分断が「発展途上国」の生存限界を危険にし、かれらの食生活を厳しく圧迫している。世界の超大国が地球上の資源を独占しているおかげで、彼らには、通常の食生活をする経済的ゆとりもないのだ。

地球温暖化が招く非常時
 「地球温暖化」は我々が化石燃料を過剰に使ったばかりが原因ではない。長い地球の歴史では、地球の気温が低くなる「氷河期」に似た期間が何回も訪れている。この「地球温暖化」が引起す不安定な気象が近年の大雨、旱魃、大雪、竜巻などの地理災害を引起し、大都市の崩壊や山地の地滑りを起こして交通網を破壊する。このような自然の異常が原因となり、送電網や有線通信網が分断される。そうなると物流が遮断され、日常生活が困難になる。そういう意味で、美味しい食材と言わず、「保存食の備蓄」も必要になる。停電でも過熱が出来るカセットコンロと飲料水があれば当面の食事は出来る。一年に一回くらいは非常時食生活を経験するのも必要だと思う。

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