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特集記事

Vol.274 -- 2023 年 02 月号

徳川文武の「太平洋から見える日本」 徳川文武

第百六十五回 繰返す戦争、民間人を違法標的に

広大なロシア領土とロシア軍の技術レベル
 ユーラシアのロシア領土は十四世紀から十八世紀には現在の状態に落着いた。旧ソ連邦には百を超える民族と三億近くの人口がある。とにかく領土は経線方向に約九千キロ、緯線方向に約三千キロある。旧ソ連邦時代、一九三五年にスターリンによる共産党専制が始まり、恐怖政治と諜報活動で計画経済がうまく機能しなかった。第二次大戦の直後、西側から優秀な人材が旧ソ連に流れ込み、宇宙、航空、物理学や化学の優れた理論や応用品が作られた。一九五八年の人工衛星打上げでは、旧ソ連の技術は米国よりも先行していた。米国の宇宙基地が使用不能になってから、旧ソ連が打上げた宇宙基地はごく最近まで、民主主義陣営も共同使用していた。現在もロシアのロケットはカザフスタン基地から打上げられている。ロケットや宇宙基地に使用されている回路部品は通常の半導体ていどだ。顔認証に現在使われるほどの高性能ではない。現在のロシアの戦車、ジェット機、原子力潜水艦の性能は目的には十分だと言われる。最近の潜水艦ミサイルや変曲飛行ミサイルの設計は世界を驚かせた。

金権政治と監視国家
 旧ソ連には諜報活動やサイバー攻撃の伝統と人材がある。自国の報道機関は言論の自由を許さない。当局に都合が悪い人間は誘拐や毒殺される。第二次世界大戦直後以来西側と折合わず、発展途上国で代理暴動をおこす競合いが続いていた。一九八五年に書記長に就任したゴルバチェフは、言論の自由と透明管理を標榜してロシア大統領制に変革した。彼の父親はウクライナで共産党労組の幹部だった。一九八九年には東西ベルリン市民が壁を取除き、統一ドイツを実現した。旧ソ連邦諸国では、バルト三国始め多くの共和国が離脱し、ソ連共産党は解散になった。ロシアを中心とする十一国がCIS(独立国家共同体)に加入しソ連邦は解体した。旧ソ連邦諸国の多くは、エネルギー資源や希少鉱物の埋蔵量が豊富だ。エリツイン大統領は一九九一年から九年間務めたが、チェチェン紛争など不安定な集合体をまとめることはできなかった。そこで大統領選で勝利し、KGBで頭角を現したプーチンは、政商(オリガーキ)を使って豊富な天然資源を輸出して外貨を稼いだ。プーチンは自分の任期を有利にするためにメドベージェフとかけひきをした。

強い指導者を好む国柄
 二〇二二年二月以来、ロシア軍はプーチン大統領の命令で隣国ウクライナに侵攻し、ウクライナ民間人とその生活拠点を集中的に攻撃している。国連高等弁務官事務所の発表によれば、今年一月十五日までに七〇三一人のウクライナ民間人がロシア軍の攻撃により生命を奪われた。この冬季には発電所が攻撃され電気もつかず暖房は機能しない。政商が前線に送込むのは、刑務所の受刑者や優遇されない片田舎の少数民族だ。一方、ロシア軍に協力しないウクライナの地元民は、ウクライナ製ソフトウエアを使って、ウクライナ戦線にロシア軍の動向を通報している。

 現在できることは、NATO諸国を中心にウクライナのロシアに抵抗戦力を支援することと、ロシアに対する経済制裁を有効に行うことと考えられている。一八五三年のクリミア戦場でナイチンゲイルは負傷兵の看護活動をした。第一次世界大戦と第二次世界大戦の災いを国際連盟が解決できなかった反省をもとに、連合国五十か国が参加して「第二次大戦後に戦勝国によって結成された」のが国際連合だ。ベトナム戦争、中東戦争、湾岸戦争、イラク・イラク戦争、コソボ民族紛争、シリア戦線、クルド放浪集団、ソ連邦の崩壊など、「多くの民族紛争」や「中国やロシアの専制首長の独裁」で世の中は混乱している。

安保理の決議の改訂が急務
 国連憲章第七章には、「平和に対する脅威、平和の破壊及び侵略行為に関する行動」とは何かを定義している。国連の安全保障理事会は世界平和と基本的人権を維持、改善、回復するために基本的な役割を果たす重要な勧告と活動を行う重要組織だ。詳細は省くが、安全保障理事会は拒否権を持つ五大常任理事国(米国、英国、仏国、露国、中国で第二次大戦の戦勝国)と加盟国から総会で選ばれる任期二年の非常任の十理事国から構成され、重大な決議の場合、常任理事国が一国でも拒否すれば、理事会としての意志決定は成立しないと決められている。その他、安全保障理事会の補助機関や、決議方法、議長国の選出などの詳細の取り決めがある。この他、環境保護や健康疫病対策や貧困救済や文教支援も重要な活動である。

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