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特集記事

Vol.251 -- 2021 年 03 月号

徳川文武の「太平洋から見える日本」 徳川文武

第百四十二回 異なる規格が共存する国

 現在は二十一世紀、多くの国が他国へ工業製品を輸出している。各国で使用する交流電灯線の「電圧と周波数」は同じではない。自分の国で作った物を自国で使う限りは、他国と規格が違っても具合が悪いことはあまりなかったし、それを他国で使うときには、それなりの規格で製造した工業製品を輸出すればよかった。ところが日本国内では、現在でも地域によって電灯線の「周波数」が違ったり、鉄道によって「線路の幅」が違ったりするのだ。その理由は、明治時代に初めて電力設備や鉄道を外国企業から買ったとき、利用範囲が国内で将来拡大することを予測できず、複数の違う「規格」を採用したことに始まる。

社会基盤となる「電気」と「鉄道」
 一八八三年東京にできた東京電灯会社(日本初)は、渋沢栄一と大倉喜八郎らにより創立され、英国の企業が設備工事を請け負った。一八八八年には神戸電灯株式会社(日本二番目)が設立され、米国の設備会社が工事を請け負った。現在、日本国内の一般家庭向け電灯線の規格は、関東が交流百ボルト・周波数は五十ヘルツ、富士川以西地域の電力供給会社は、交流百ボルト・周波数六十ヘルツである。現在も西欧では電灯線の規格は国によってまちまちだが、米国では電力線網があり規格が統一されているので、局地的な故障や需要の逼迫があると、隣合う電力会社間で電力網の接続を切替えて、電力の需要がある側へ電力を供給することができる。日本の五十ヘルツ地域と六十ヘルツ地域では、そのような融通は効かない。

鉄道の相互乗り入れ
 一九〇六年、明治政府は、国内の多くの鉄道を買収して国有化すると共に、設備や車両の標準化を行った。その結果、日本国有鉄道の標準軌条幅は一〇六七ミリに統一された。私有鉄道の営業路線の軌条幅には、一〇六七、一三七二(西欧の馬車鉄道の標準)、一四三五(欧米の標準)ミリが現存する。また電気鉄道の給電方式については架空線方式と第三軌条方式、電源方式の規格には、直流と交流がある。したがって、軌条幅と給電方式と電源方式と車両限界(車両の大きさ)が一致しない車両は、原則として同じ軌条を走れない。要するに異なる路線から相互乗り入れができない。本来の東京メトロ線を走る車両は、第三軌条方式の銀座線と丸の内線だけであった。東京メトロ線に相互乗り入れするためには、新たに架空線方式のメトロ線を敷設して、その外側の私鉄線やJR線と接続することによって直通運転を可能にした。例として、東急田園都市線と新設東京メトロ半蔵門線と東武鉄道線が直通運転できる。しかし、この直通運転が、周辺都市から大都市への人口移動と周辺都市の過疎化と経済縮小を加速することになった。

統一規格で明確化
 このように日本は明治維新期に近代技術が遅れていたので、社会下部基盤となる電力設備や鉄道設備を技術先進国から取入れ、相互に競合する英国と米国の企業から輸入する羽目になった。英国と米国は商域の競合を回避するために「異なる規格」を採用したように見える。要するに、英国と米国の企業は日本をすみ分けした。明治時代も現代も日本は政府主導だが、日本政府にもう少し「先見性」があったら、社会下部構造の構築には「規格統一」で「価格競争」をさせたら良かった。でも多分、その時の役人も、両国の企業から、それぞれ賄賂をとり、不都合な複数の規格を取入れたかも知れない。

 今回コロナ災害の給付金の振込みを初め、国民へのサービスが遅れたのは、まず国民カードが普及していないことだったと思う。国民カードの役目を健康保険、失業保険、諸年金と生活保護手当などに必要だと位置づければ、国民カードが不要だと言う国民はいないだろう。

 国と自治体ごとに決められている「異なるデータ様式」の「手書きの紙媒体」(アナログ)に「人間入力」でコンピュータ入力すると言う「前時代的作業」を改め、政府デジタル庁が決めた「統一データ様式」に「キーボード又は音声などを介して情報を端末」(デジタル)を使ってコンピュータに「デジタル入力」することに移行することが急務だと考える。政府が責任を取りたくない理由で、物事の決定を地方自治体に任せず、国民に対しても必要な命令は行使するべきだ。一部の国民だけが政府からの便益に浴するような現在の政権のやり方は、改めてもらわないと困る。



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